どこにもない 1

小学生2年生の頃

私は気になることがあると、先生とできるだけやり取りをした。

ちょっと気になることは連絡帳。

とっても気になるときは電話。

必要があれば学校に行って、先生や校長先生とお話した。

もちろん、先生からお電話を頂くこともあった。

ある日、次男がひどく元気がなかった。

確か、小学校2年生だったと思う。

次男はその頃、通級指導教室(コミュニケーションの教室)に行っていた。

そのため、在席校の図工の時間に出られなかった。

つまり、在席校で図工の作品を全く作れなかった。

作品展があるのだが、二男は作品を作ることができない。

そこで先生と次男と私の3人で話し合い、コミュニケーションの教室で作ることになっている木で作った花台を提出することになった。

みんなは恐竜を作ることになっていたので、随分違う物だが、コミュニケーションの教室での予定も決まっているので、それで合意した。

コミュニケーションの教室で作った花台はステキに出来上がった。

作品展が近いので二男はそれを持って学校に行った。

そして作品展の当日、私は楽しみに出かけた。

ところが探しても次男の作品はどこにもない。

次男の花台は?

先生は花台を飾って下さるとおっしゃっていたので、一生懸命探した。

あった。

なんと、次男の花台は恐竜の下に敷かれ、ほとんど見えない。

その瞬間、これを見た次男がどんなに傷ついただろうと思った。

そして、思い切り頭にきた。

ちゃんとお話したのに「これかよ!」

あわてて帰って次男に聞くと、次男は元氣なく答えた。

「先生に何度もお願いしたんだ。ぼくの花台の上の恐竜をどかして下さいって……でも先生はダメですってどかしてくれなかったんだ」

ここで再び頭にきた。

次男が何度も訴えたのに、ダメだと言ってそのままにした。

「どういうことだ!」

すぐに連絡帳に、お会いしてお話したいと書いた。

直ぐにお返事が来た。

「私と校長と図工の先生と3人で校長室でお待ちしています」

願ってもない機会だ。

明日に続く

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA