おじちゃんの言葉
弟の話のついでに、ある出来事を思い出したので書いておこう。
弟がおとなになってからの話。
弟の職場はわが家から、比較的近くにあったので、仕事帰りに、
その日、弟と私はダイニングで、話をしていた。
そこにケントが帰ってきた。
確か高校1年生の時だったと思う。
ケントは機嫌が悪かったのか、ちょっとした私とのやり取りで、
怒るというか、ブチ切れている感じ。
さんざん怒鳴り散らしてから、ふと我に返ったようで、
「おじちゃん、悪かったな。
せっかく、おふくろとゆっくり話していたのに、
すると弟は言った。
「ケント、そんなこと、どうでもいいよ。それよりおじちゃんは、
「おじちゃん、分かったよ。ありがとうな」
すっかり、穏やかになっていた。
その後のケント
その時、ケントはバイトもなかなか見つからず、
そんな時に、弟はケントの目を真っ直ぐ見つめて、そう言った。
弟は、まさしく、ケントの肯定的な未来を思い描けたのだと思う。
その後、しばらくすると、バイトも見つかり、友だちに誘われて、
ちなみに初部活だ。
そういうケントを見るのは初めてだったから、私もかなり嬉しかった。
弟が言った通りケントは充実した日々を過ごし、あの時よりずっと良くなっていた。
奇跡を見るような思いだった。
夢中になれるもの
そんなある日、ケントは目をキラキラさせて言った。
「おれ、やっと夢中になれるものが、見つかったよ」
いったい、なんだろう?というわくわく感と、もしかして……
「おれ、バイクの免許を取って、400CCのバイクを買う」
多分、私はかなり複雑な表情をしたと思う。
「あー ついにこの日が来てしまったか……」という思いが強かった。
でも、本人は嬉しくてたまらない感じなので、取り敢えず夢中になれるものができて良かったねという思い。
流石に、「え っ!バイクだけはやめて」とは言えなかった。
それほど、ケントは舞い上がっている感じだった。
思春期の最大の難関、バイク
そこから、親子共々、バイクとの戦いが始まった (*>_<*)ノ
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