受験とアルバイト

3年生、3学期

中学、3年生になったケントはますます、学校に行かなくなった。

1週間に1回、一日ではなく、1時間行くって感じだった。

「ケント、今週も1時間しか行かなかった」と愚痴っぽく言う私に、主人は決まって、「そうか、今週も学校に行ったのか、偉いな」と言った。

私はけっこう単純なので「そうだなぁ」って思うと、気持ちが軽くなった。

それでも、通級指導教室は送り迎えだし、1週間に一日行っていた。

LDがあることは分かったので、通級での学習はパソコンを使っていたようだ。

書くより楽だし、クイズ感覚でできたのだと思う。

3年生の3学期になると、ケントは「高校に行く」と言った。

こんなに学校に行かないのに、高校には行きたいようだ。

親の大切な務めの一つに情報提供がある。

「けんちゃん、高校は義務教育と違って、出席日数が足りなかったり、赤点はダメなんだよ。単位を取らないと卒業はできない」

ケントは「分かった」と答えた。

高校受験

睡眠障害もあったし、都立の定時制高校に行くと言った。

受験も近くなってきたときに「パソコンを使ってテストを受けてはどうか」と提案して下さったのが、昨日のコラムに書いた、10年ぶりに電話を下さった先生なのだ。

先生は「これでパソコンを使う受験が認められれば、前例になる」とおっしゃった。

ケントに聞くと、「やってみる」という返事だった。

先生のアドバイスに従って、中学校の校長先生にお願いして、それから教育委員会、高校に連絡が行き、割りと直ぐに返事を頂いた。

オッケーだった。

そして、

自分のノートパソコンとUSBメモリーをもってくること

図形や漢字の問題は差し替えること

教師と二人だけで、別室受験になること

などの条件がついた。

それだけではなく、「頑張って下さいね。お待ちしています」という温かいメッセージまで頂いた。

そして、いよいよ受験の日。

過保護な私は車で送ることにした。

車なら10分で行く。

それにパソコンをどこかに置いてこられても困るし……

話がそれるが、小学校で給食室の工事で一時お弁当になった。

そのときにケントは2回お弁当箱を落としてきた。

お弁当箱なら、まだしもパソコンは困る(*>_<*)ノ

そして、無事に試験を受け、合格した。

ジョブコーチ

定時制高校なので入学すると直ぐに、アルバイトを探したがなかなか見つからなかった。

けっこう苦労して、ようやく見つけたのが、お好み焼き屋さん。

ともだちがすでにアルバイトをしていたので、分からないことは何でも聞ける。

不安感が強いので、分からなければ友だちに聞けるというのは、かなりの魅力。

ケントは自力でジョブコーチを見つけたようなものだ。

「ケントは生きる力はしっかりもっているぞ」ってはっきり思ったのはこの時だった。

ケントは中学生のときに「早く働きて~ 」ってよく吠えていた。

ADHDの子にとって、お金を得られるというのは、かなりのモチベーションになるので、アルバイトはなかなかいい。

皿洗いばかりだったけど、頑張っていた。

その後、たくさんのアルバイトを経験し、その中の一つが今の仕事に繋がった。

そして、「アルバイトのときに、人間関係を学んだ」とおとなになってから、ケントは言っていた。

アルバイトのメリット

お金が得られる

色々な仕事が経験できる

自分にあった仕事を見つけることができる

コミュニケーションを学ぶ

社会性を身につける

アルバイトは、いいこといっぱいだー\(^o^)/

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