「本当の堀内君ではありません」

笑えるエピソード。笑えないエピソード

長男、次男の先生について書いたので、三男の先生についても書いておこう。

小学校3年生の時の三男の担任の先生は若い女性で、とても明るくてポジティブな方だった。

三男はお道具箱も机の中もぐちゃぐちゃ、忘れ物も激しくランドセンを学校に忘れて家に帰る。

学校に行く途中にあるゴミステーションにゴミ出しを頼むと、忘れてゴミを持って学校に行く……

まー この辺のエピソードは笑えるのだけど笑えないことも多かった。

道路に飛び出して交通事故に会い、頭蓋骨骨折で救急車で運ばれたりした。

そして、音が気になって勉強ができなかったりした。

三男はADHDだし、事故のときは衝動的に飛び出しているわけだし、これをこのまま放っておくことはできないということでドクターに相談した。

その当時は、リタリンをまだ処方されていたときで、ごく少量(半錠)一日1回飲むように言われた。

それでも、いい加減な私は毎日飲ませることはなく、そろばんに行く日だけ飲ませていた。

そろばんに行くと音が気になってできないというようなことを言っていたからだ。

なので、当然飲んでいる日と飲んでいない日があるわけで、その著しい差を先生は見ていたのだ。

無理やり抑えつけられている

ある日先生はお電話を下さった。

「お母さん、薬を飲んでいる日の堀内君はいつもの堀内君ではありません。いつもは活発に意見を言ったり、質問したりするのですが、薬を飲んでいる日はただぼーっと椅子に座っているだけで、何も言わないんです」

先生は勇気ももって、わざわざ電話を下さったのだと思う。

本人に聞いてみると、「薬を飲むと、頭を押さえつけられて、無理やり椅子に座らされてる感じがする」と答えた。

ドクターに相談すると、「彼の表現は正しいですよ。
正に薬に頭を押さえつけられている感じだと思います」と同じことをおっしゃった。

そして、直ぐに薬をやめて、2.度と飲むことはなかった。

そして、担任の先生のお電話のお陰でごく短い間で済んだ。

本当にありがたいことだった。

落ち着きのない、授業中もうるさい生徒が薬を飲んで静かにしているのなら、先生は楽だと思う。

でも先生は違った。

三男がいつも、手を上げて活発に意見を言ったり、先生の新しい試みに一番に乗って来るのが三男で、それを先生はすごく助かっていますとおっしゃっていた。

三男の積極性として、良い方に捉えて下さっていた。

だから、黙って動かない三男を見て、心が痛んだのだと思う。

そして、提出物を出せなかったり、手紙を持って帰らない三男のために特別のファイルを作って下さったりした。

宿題の出し方も三男のために工夫して下さり、それを他の生徒にも取り入れたらとても良かったと喜んでおられた

いつも目をキラキラさせて「お母さん、今度はこんなことをしようと思っているのですが、やってみていいですか?」とわざわざ聞いて下さったりした。

なんか今思い出しても、先生の熱い思いに泣きそうになる。

三男もこの先生にことは大好きだった。

ほんとにほんとにステキな先生に子どもたちも私も出会ってきた。

あらためて感謝の思いでいっぱい( ―  )

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