誰か助けて

お母さんとベビーカー

昨日は都内で、講演だった。

 

講演を終えて、駅の辺りを歩いていると、赤ちゃんを抱っこして、たくさんの荷物がかかったベビーカーを抱え、階段を登ろうとしている若いお母さんを見かけた。

 

思わず、「手伝いますね」と言って、一緒にベビーカーを持って階段を上がった。

 

そのお母さんは「ありがとうございます。こんなに親切にして頂いて‥‥」とおっしゃった。

 

「私も4人育てたから、こういう時の大変さはよく分かるの」と言うと、そのお母さんは、花が咲いたようなステキな笑顔になった。

 

なんか、その時にそのお母さんの「私の大変さを分かってくれているんだ」という温かい思いが伝わってきた。

 

正直言えば、ベビーカーを一緒に持って階段を上るくらいとっても小さな行為だ。

 

それなのに、あのお母さんは本当に嬉しそうだった。

 

 

私が子どもたちを育てた時代は今のようにバリアーフリーはそんなに進んでいないし、電車の中ではベビーカーはたたまなければならなかった。

 

うちの子どもたちは身体は大きかったけど、中身は年相応なので、歩いて電車で出かけても帰りに眠ってしまって、ベビーカーはないしずっと抱っこして家に帰ったりした。

 

そういうときは本当に泣きたいくらい大変だった。

 

今から思えば「タクシーに乗れば良かったじゃない」とも思うが、そのときはそういう発想がなかった。

 

 

他にも「誰か助けて!」と思うことは多々あったけど、なんとか自分で頑張るしかなかった。

 

そんなときに助けてもらうと、もう泣きたいくらいに嬉しかった。

 

だから、分かるのだ。

 

あのお母さんが、あんなにあんなに喜んでくださったことが‥‥

 

いつも助けられているわけじゃない。

 

歯を食いしばって頑張る時のほうが多いはずだ。

 

だからこそ、あんなに小さなことなのに心から喜ぶ。

 

 

迷わず、身体が動く

 

 

 

 

 

 

 

私が子どもを連れて歩かなくなったときから、そういう大変そうなお母さんやご老人を見かけると迷わずお助けするようになった。

 

 

どうしようかな?と思うより先に身体が動く。

 

 

断られたら、引けばいい。

 

あんなにすてきな笑顔を見れることは、それだけでもうご褒美をもらったような気がする。

 

心があったかになる。

 

きっと、あのあ母さんは子どもから手が離れたとき、大変そうな若いお母さんを見かけたら、迷わず助けるだろうと思う。

 

自分がされて嬉しかったことは、人にもしたくなる。

 

私も、どうにも大変で途方に暮れていた時、助けてもらったことは今でもよく覚えているから‥‥

 

その嬉しさが、私の力になっている。

 

その人にとってどんなに小さな行為であっても、深く心に刻まれる。

 

最近、寒くなってきたけど、心はあったかでいたいな( ◠‿◠ )

 

 

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誰か助けて” に対して3件のコメントがあります。

  1. 読者さま より:

    ペンネーム: こころ

    【濃い人生】

    夫、息子、娘、そして私も、家族全員発達障害特性を持ってます。
    ADHD アスペルガー‥
    だいたいそんな感じです。

    息子の育児には、自分の弱さが炙り出され、自分に疲れました。
    夫の意味不明な行動にも悩み、私は、おかしくなり、心療内科にも行きました。

    分かっているのです。
    全ては私次第で、自分との葛藤に苦しんでいるだけのこと。
    そして、私と母親の関係性が出ているだけのこと。

    子供がどうこうじゃない。
    ユニークな子供が産まれてくれた。
    私が成長し、柔らかくなるチャンス‥
    神様は、与えてくれたんだと。

    私の父は、おそらく、アスペルガー。
    母は人格障害?
    妹も人格障害?
    弟は、ひきこもり気味?

    色々ある。
    本当に色々ある。
    色々ある中で、生きて学んでいる。

    私には、二人のユニークな子供が来てくれた。
    ここから何を学ぶのか。
    人生が濃くて、有り難い。

  2. こころ より:

    最近、堀内さんを知ってから、毎日コラムを見せて頂いています。
    本当に勇気づけられています。

    困ってる時に、手を貸して下さる方がいたら‥
    あったかい気持ちになるでしょう。

    私も、息子が幼稚園の時に、あきらかに発達障害のお子さんに手を焼いている方に、お手伝いできる事はないですか?
    と、声をかけました。
    相手の方にとって、どうだったかは、分かりません。
    でも、私なら、助けてほしい場面でしたから。

    周りの方は、みんな、その親子には、関わらないようにしている感じでした。

    今は、互いに子供は、同じ小学校の支援学級在籍です。
    困ってる方がいたら、力をかしたい。
    人間として生まれ、当たり前の感情です。

    1. 堀内 祐子 より:

      Kさま

      コメント、ありがとうございます。
      そういう場面で声をかけるのは、ちょっとだけ勇気がいることもありますが、お手伝いできたときには、心があったかになりますね。

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