1年に一度のお楽しみ
この時期、あちこちで花火大会がある。
私は花火が大好き。
だけど、あの「ドーン」というのが怖い。
だから、花火大会には行ったことがない。
ところが、1年に一度、わが家の2階の窓から大きな花火を見られる日がある。
近所の神社から上がる花火。
もちろん、隅田川の花火などに比べれば、お話にならないくらいちょっとしか上がらない。
それでも、私は1年に一度、花火を見られるその日を楽しみにしている。
神社の花火
それなのに、私はその日がいつなのか知らない。
つまり、「ドーン」と大きな音がして初めて、今日が花火の日だと分かる。
運悪く、だいたい夕飯を食べ始めた頃に花火が上がる。
今年、次男と夕飯を食べ始めた直後に「ドーン」という音が響いた。
2階に行きたかったのだけど夕飯中だし、次男を一人にするのは申し訳なく、ちょっとためらった。
すると、次男は言った。
「行ってきてください。
お母さまはこの日を毎年楽しみにされているでしょ」
「ほんとに行ってきていいの?
ご飯中なのに‥」
「もちろんですよ。
楽しんで来てください」
私は2階に駆け上がり、窓辺に座って、花火を十分に楽しんだ。
終わって、ダイニングに行って、次男にお礼を言うと「楽しむことができましたか?」と言われた。
「幸せな時間を過ごした」と言うと、喜んでくれた。
なんでもないようなできごとだけど、私は次男の優しさが胸に沁みた。
私の小さな楽しみを次男は知っていた。
どんなに私が花火の美しさが好きか‥‥
人の幸せを喜ぶことができる心の豊かさ。
そういう優しさが満ちれば、この世の中はもっともっと輝くに違いない*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*
幸せは、何気ない日常の中にある。
Nさま
その通りですね。