譲らない
気の強い娘
私が気の強い反抗的な娘であったことは時々書いている。
父に幼い時からよく怒られていたが、「
そう言われても子どもは出て行くことなどできない。
今なら、そんなことをしたら、
そういうことは知らない私は悔しくて、「
そして、その時はやってきた。
私は19才、学生だったが高校は卒業しているし、
ある日、父とケンカをして父はいつものお決まりの文句を言った。
「出て行け!」
私は静かに答えた。
「分かった」
そこからの行動は我ながら、あきれるほど早かった。
昼前にケンカをして、夕方には働くところと住まいを見つけて荷造りを始めていた。
青山にある大きな花屋さんに住み込みで働くことにしたのだ。
アルバイト先の花屋さんから紹介されて、
母の叱責
夕方になって帰ってきた母は私に何をやっているのか聞いてきた。
それまでのことをかいつまんで話して、
母は普段、穏やかな人だがこの時は激しく怒った。
先に父に対して「なんで、
「私はあなたが出て行くことを絶対に認めない。
すごいけんまくに圧倒されるほどだった。
くどいようだけど、普段母は穏やかで、優しくて、
実際、父も私もびっくりして母に言い返すことができなかった。
このことを思い出すと「母は強し」って言葉が頭に浮かぶ。
これは母にとって譲れないことだったのだろう。
私もケントの子育てで苦労しているときに譲れないこと以外は全部
思い返すと母にも明確に譲れないことがあったのだと思う。
その他はあんまり怒らない人だったから……
なんだかんだ言って、
しかし、未だ母の子育ての足元にも及ばない( ― )