ケントの座り方
ケントは小学校のとき、学校から帰ると、
ソファーに座るのではなく、背もたれに足、頭は下。
つまり、逆さになっている。
回転イスに座って、ずっとクルクル周り続ける。
それなのに、目は回っていないみたいだった。
リビングに敷いてあった厚手のマットに包まる。
つまり海苔巻きみたいにマットをグルグルと自分を芯にして巻く。
そこにずっと、包まったまましばらく出てこない。
ヨットパーカーのフードをかぶり、紐をギュッーと締める。
よく見ていると、そういうことをするのは、
だから、そういうことをしているときに、下手に声をかけると、
放っておくと
なので、放っておくことにした。
放っておけば、しばらくして、他のことを始める。
この時間はケントに必要だったんだと思う。
そうやってバランスをとっていたのだろう。
ケントはイライラすることも多く、
埃が出るので、その代わりにパンチングボールを買ってみた。
これはなかなか良かった。
イライラを健全な方法で開放する。
そうでないと、壁に穴が空いたりする。
多分、本人もあまり壁に穴をあけるのは良くないと思ったのか、
そうすると、手がそうとう痛かったと思う。
ボロボロになるまでの数年間、パンチングボールは大活躍だった。
ケントにとっても家族にとってもパンチングボールは救世主となっ
ストレスやイライラは押し込めるより、開放することですなヽ(^