呪いの言葉
なんか物騒な言葉だけど、最近ちょっと気付いたことがあった。
本(発達障害の子とハッピーに暮らすヒント)にも書いているが、ケントの診断のときにドクターから言われた言葉。
「このまま行けば、不登校、家庭内暴力、引きこもり、入院になる可能性が高いので、病院とつながっておきなさい」
セカンドオピニオンもとりたかったし、だいたいそのときの私は疲れ果てていて、ケントが入院してくれればいいと思っていたので、ドクターに勧められるまま病院に行った。
その言葉のことは、ひどいなぁと思いながらも、ちょっと忘れていた。
それが、今頃になって突然、私の頭の中に「それって呪いの言葉じゃん」って思いが降ってきた。
診断されたばかりで、アスペルガーが何なのかもわからなかった。
15年も前のことだから……
「知的な遅れのない自閉症です」
自閉症!
「ケントが自閉症なのか」って混乱している中、追い打ちをかけるように言われた言葉。
不登校
家庭内暴力
引きこもり
入院
その時の私にとっては「入院」というあまりにも魅力的な言葉が含まれていた。
だから、私はそこにフォーカスしたのだろう。
そんなにショックではなかったような気がする。
だけど、不登校も家庭内暴力も引きこもりもけっこうしんどい言葉だ。
一つだけだってインパクトがあるのに3つ並んだ。
私にとっては魅力的だった「入院」という言葉も普通はマイナスに捉える。
後で考えたら「随分ひどいことを言われているいるなぁ」って思ったけど、ケントがそこまで壊滅的な状態だったんだろうと捉えていた。
なんたってドクターは「可能性が高い」と言っているのであって「なる」と言っているのではない。
そして、多分親切で「このままでいたらそうなっちゃいますよ」って警告して下さったのだろう。
マイナスなイメージ
ところが、気付いてしまったのだ。
ドクターの思いとは別に、これは「呪いの言葉だよな」
思考って大切で、思考で色々変わって行く。
だから、マイナスなイメージを植え付けられると、その影響を受ける。
もちろん、自分の意思が強く、軸がしっかりしていれば、はねのけることはできる。
でも、さっき書いたように、診断を聞いただけでもショックを受けている。
そしてなんたってドクターに言われている。
普通は真に受ける。
「うちの子は不登校になって、家庭内暴力が始まって、引きこもっちゃうんだわ……」(-_-;)
なんて酷なことを言うんだろう。
親をどこまで追い詰めるんだろう。
私は講演でいつも意識は伝わるって言い続けている。
親の思い、意識は伝わっちゃうんだよ。
子どもに!
ドクターの言葉が親、そして子どもにしっかり伝わってしまう。
お願いだから、呪いの言葉を使わないで!
私はその逆の経験もある。
ドクターにかけられたポジティブな言葉に希望や元気をもらった。
ケントは同じ子だよ。
同じ子に対する言葉がひどくマイナスだったり、ポジティブだったりする。
そしてケントは、どうなった?
高校を卒業して、会社作って、結婚するよ。
めっちゃ幸せだよ!
ドクターが言った「可能性」はただの可能性。
だけど、ケントが学校を卒業して、仕事して結婚する可能性だって同時にあった。
なのにさ、さもそうなるって感じで、呪いの言葉を投げかけた。
ちなみに私はそのドクターになんの恨みもない。
でもこのことはすごく伝えたかった。
もし、もしこのコラムを読んで下さっている方の中に発達障害の診断をするドクターが一人でもいたら、分かってほしい。
親は育てにくい子どもと日々格闘して、自信なんかとうになくなっている。
疲れ果てている。
でもクリニックや病院に行ったら、なんか、助けてもらえるんじゃないか?
良いアドバイスや情報をもらえるんじゃないか?
淡い期待をもっていることもある。
何を隠そう、私がそうだった。
そして、呪いの言葉を言われて帰ってきた。
私は気が強い。
比較的楽天的。
夫が助けてくれた。
だから、うつにもならず、なんとかやってきた。
でもね、心優しいナイーブなお母さんだっている。
夫が協力どころか、奥さんを責めたりすることもある。
辛いよ。
代わりに言ってあげて「お母さん、よく頑張ってきたね」って!
私は「よくここまでひどくしましたね」って言われたの。
悔しくて、悲しくて泣きたかった。
ケントのこの笑顔を見て!
あきらめないで、投げ出さないでやってきたら、こういう日が来るんだよ(¯―¯٥)
彼らは幸せになる可能性がある\(^o^)/
http://xn--x8jzbin1d.com/%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A%E3%81%AE%E3%81%94%E6%A1%88%E5%86%85/
堀内さん、初めまして。
いけまくにこと申します。
3人の子どもがいます。(高校1年生、中学3年生、小学6年生)
ドテラオイルを愛用していて、グループのラインにリンクが貼ってありましたので、そちらから、たどり着きました。
まだこのエピソードしか読んでいないのですが、
ケントさんの輝く笑顔の写真をみて、とても感動しました。
友人が、発達障害の子どもたちのケアサポートの仕事をしています。
このブログを紹介したいと思いました。
Iさま
メッセージありがとうございます。
また、ご紹介してくださってありがとうございます。
お時間があるときに他の記事も見てくださいね。