日本語のみで通訳
もうかれこれ28年くらい前のこと。
私はアパートに住んでいた。
そこにボリビアから来た家族が住んでいた。
ボリビアはスペイン語。
私はそのボリビア人のガービちゃんと直ぐに仲良くなった。
家族ぐるみのお付き合いだった。
ボリビアの料理やレース編みを教えてもらった。
そして、私がガービちゃんに日本語を教えて、ガービちゃんが私にスペイン語を教える。
そして、ガス屋さんとか色んな人とのやり取りをするときにいつも、私が間に入っていた。
もちろん、私はスペイン語はほとんど分からない。
それでも、私はガービちゃんに相手の言っていることを簡単な日本語で伝え、ガービちゃんの言っていることを相手に伝えることができた。
日本語のみなのに通訳しているごとく、二人のコミュニケーションを取るお助けをしていた。
なぜ、伝わる?
あるとき、私はジョブコーチをしていた。
そのときはバスで通勤していた。
すると、私がいつも仕事で関わっている方がバスの運転手さんからバスカードを買おうとしていた(スイカやパスモがなかった時代)
「3000円のバスカードください」
「3000円のバスカードは切らしているけど、5000円ならありますよ」
「3000円のバスカードください」
「だから、3000円のはないの。
5000円しかないの」
「3000円のバスカードください」
もちろん、バスは止まったままだった。
運転手さんは困り果てていた。
私はその方のところに行って
「〇〇さん。
3000円のバスカードはありません。
5000円のバスカードはあります。
どうしますか?」
「5000円のバスカードください」
まぁ バスの運転手さんの言ってることと、私の言ってることは同じこと。
じゃーなぜ、彼は私の言っていることを理解したのか?
ちなみに自閉症の方は、いつもお会いしていても、場面が変わると誰だか分からなくなることが多いので、私が彼が働いているところのジョブコーチだということは分からなかったと思う。
私がしたことは、お名前を呼びかけたこと。
簡潔にセンテンスを区切って話したこと
はっきり明瞭に話したこと
それだけだった。
この類のことは今までたくさん経験している。
誰が言っても動かないのに、 私が言うと動いてくださることが多い。
ちょっと自慢気だか、これは何も私が特別っていうことではない。
自閉症の方に分かりやすく話しているだけで、誰でもそういう話し方をすれば伝わる。
一応、自閉症スペクトラム支援士でもあるし‥‥
でも、それ以前に私は相手に伝わる話し方を子育ての中で格闘しながら学んだ。
具体的に言えば、ケントを育てながら学んだ。
ケントに感謝だわ〜
この力は、色々な場面ですごく役に立つ。
学校の先生にお伝えする。
仕事上での調整
幼い子どもに話す‥‥
どんなに時間を費やしても相手に伝わらなくては意味がない。
伝えるためには、どうしたら良いかを考える。
それだけのことだ。
話はガービちゃんに戻るが、言語が違っていても、私たちはとても仲良しだった。
思いはちゃんと伝わっていた。
ガービちゃんから教えてもらったレース編みは今でも、うちの窓辺に飾ってある♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪